賃貸
Q. 借主が行方不明の残置物の処分について
- 賃貸借契約書には「契約解除後の残置物の所有権は放棄されたとみなし、貸主は任意に処分することができる」とありますが、明らかに無価値な物ばかりですので、この規定に基づき残置物を処分してはだめですか。
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A.
1 賃貸借契約書に「契約解除後の残置物の所有権は放棄されたとみなし、貸主は任意に処分することができる」とあっても、本件では、貸主の方で借主の残置物を勝手に処分することはできません。
2 上記の条項は、借主が任意に明け渡した後に残された借主の残置物についてならば有効となります。したがって、本件のように任意の明け渡しをしていない場合に、この条項を使ってマンションの中にある借主の残置物を貸主が破棄・処分することは、自力救済として許されません。
3 自力救済の禁止
なお、いくら借主が長期不在の上、家賃を滞納しているからといって、貸主は、勝手に貸室の中に入ったり、部屋の中にある物を処分することはできません。借主に対し強制的に明け渡しを求めたいときには、訴訟を提起して明渡しを命ずる確定判決等を取得し、その上で裁判所に対し強制執行を申し立てる必要があります。
データ更新日:2018/03/09